でもさ、何がいいのかわからないんだよ。
情報がいっぱいありすぎてよくわからなくなっちゃうのよ。
モデルさんの写真見ると、かわいく見えるし。
「安いから」ってネットで買っていざ自分でウィッグ着けてみたら・・・
「失敗~!」とかよく聞く。
今日は、しっかりと医療用ウィッグについてお話させていただきます!
長くなるから覚悟しておいてね‼
☑医療用ウィッグが必要になったけど、どれを選べばいいかわからない
☑ネットで探すと安いけど、いっぱいありすぎてわからない
☑デパートで見たけど、似合うのか疑問
☑大手ウィッグメーカーに行くのには気が引ける
☑安いからって思って買ったウィッグが不自然だった
☑短期間しか使わないって思って妥協したらやっぱり違った
☑似合う髪型のウィッグがない
☑よくある髪型しかない
☑とりあえず、よくわかんない!
私はウィッグ屋さんではなく、美容師です。
お客様をキレイにすることが仕事です。
ウィッグであっても、本当にご自身が納得のいくものでないと気持ちも幸せになれません。
「このウィッグ、いやだなぁ」っていう気持ちで毎日いたらどうですか?
心まで落ち込んで暗くなるだけですよね?
私は、ウィッグであってもオシャレをして見た目も心もキレイでいていただきたいと思っています。
今回は実際に当サロンで医療用ウィッグを作られた方の工程もご紹介させていただきます。
医療用ウィッグとはどういうものか?
- 円形脱毛症
- 無毛症
- 抗がん剤の副作用による脱毛
- そのほかの薬剤による脱毛
など、理由は様々ですが、自毛のままでは見た目がよろしくない方向けのウィッグになります。
ですので、コスプレやファッション用のウィッグとは目的も仕様も異なります。
基本的に医療用ウィッグはフルウィッグ(全部被るタイプ)です。
医療用ウィッグの目的
部分的な脱毛や全面的な脱毛によりそのままの状態では困難な方が、髪の毛がある状態を一時的に作るためのものです。そのウィッグがあれば、日常生活に支障がない、人の目が気にならない、という状況を作ります。
また、自毛の発毛や成長を妨げるものであってはいけません。そして、直接肌にあたる部分が痛いものであってもいけません。
このように、医療用ウィッグはファッションウィッグとは全く目的が違います。
できるだけ、自然でその方の雰囲気を壊すものであってはならないと思っています。
どういったものが自然なウィッグか?
①サイズがピッタリとあっているもの
②その方の雰囲気にあったヘアスタイルやカラー
③風が吹いたときや動いたときに見える産毛があるか?
④前髪の長さと額の長さはどうか?
⑤髪の毛が揺れるか?
⑥もみあげは外を向いていないか?
多くの医療用ウィッグは後ろの方にサイズ調整の【アジャスター】がついています。
髪の毛がない時は最小のサイズになるように縮めて、髪の毛が生えてきたらサイズを少しづつ大きくしていかれるといいでしょう。
ですから、大きすぎてはいけませんが小さめよりも少し大きい方が長い期間使えます。
また、しっかりと顔周り、耳回り、襟足に産毛を丁寧に作ることにより不自然さをなくします。
そして、前髪の位置が下過ぎて額が狭くなると、「被った感」が出てしまいます。少し、後ろ気味にウィッグを付けたほうが自然に見えます。
フルウィッグはもみあげの位置にワイヤーが入っています。
そのワイヤーが「ハ」の字に外に向かないようにします。「ハ」の字になっているとウィッグが浮いた感じが出てしまいます。
ウィッグの髪の毛の素材について
- 人工毛(ナイロン毛)
- 人毛100%
- 高品質人工毛&人毛ミックス などなど
人工毛(ナイロン毛)
値段
数千円~3万円代。カタログ等で選んで注文するタイプ(既製品)が多いです。
特徴
- 安いので手軽に買える
- 2,3か月くらいで買い替えるには良い
- テカテカなツヤ感
- 静電気や摩擦により痛みやすい
- 熱に弱い
- ぺタ~っとした印象がある
- ふんわり感がない
- ヘアスタイルが限られる
特にお値段が安めのウィッグは『マシンメイド』といわれる方法で作られている場合があります。
暖簾のような状態の毛束をミシンで縫い付けて作ったウィッグです。そのため、『手植え』で作ったものに比べると、髪の毛の立ち上がりがないために「ふんわり感」がなく、「ペタ~」っとしています。
このような方におすすめ
- 値段を抑えたい方
- 使い捨て感覚で使用したい
- ごくたまにしか使用しない
痛みやすいタイプなので、丁寧に扱わないと毛先がすぐにチリチリになります。そのため、使い捨てコンタクトのように痛んだら新しいのに取り換える、っていう方もいます。
人毛100%
値段
10万円~20万円。人毛の質によってお値段が変わります。
特徴
- ツヤ、手触りが自然
- 滑らかさがある
- カラーリングができるので、デザインカラーなども楽しめる
- パーマがかけられる
- 熱に強いのでドライヤーやアイロンが使える
- お湯で洗える
- 手ごろなお値段
一番のポイントは「自由なカラーが楽しめる」っていうことです。
今までと同じようなカラーにしたい、デザインカラーでもっとオシャレにしたい、人と同じものが嫌、っていう方にはピッタリです。
このような方におすすめ
- お手頃なお値段がいい
- 自然な感じが欲しい
- 安すぎるものは不安
- カラーリングを楽しみたい
高品質人工毛&人毛ミックス
値段
20万~(上限はありません)。オーダーメイドタイプでオプションを追加すればするほどお値段が上がります。
〈オプション注文の一部例〉
- 毛の生え方の向きの指定
- 特殊カラー(白髪ミックス、ヘナ、ダメージヘア風など)
- 特殊スキンシート
- 特殊ネット
このほか様々なオプションの注文ができますので、追加すればするほどお値段は上がります。
特徴
- ツヤ、手触りが自然
- 丈夫
- 形状記憶毛の場合は洗っても自然乾燥で形が復活する
- 熱に強いのでドライヤーやアイロンが使える
- お湯で洗える
- 定期的にメンテナンスをすることで長い期間使用できる
『形状記憶毛』は大人気です。
毎日使用する方は1週間に1回はシャンプーをしないといけません。
そのたびにブローやセットをするのは大変なことです。
とくに体調不良の方、家事やお仕事で忙しい方はなおさらです。そういった方にはこの『形状記憶毛&人毛ミックス』がおすすめです。
このような方におすすめ
- 丁寧に長い期間使用したい方
- いいものを大事に使いたい
- 自然な雰囲気が欲しい
- 手入れが楽なものがいい
- さまざまな特殊オーダーをしたい方
先ほども書きましたが『形状記憶毛』は本当に便利です。
体調不良の方や家事やお仕事で忙しく、シャンプーのたびにブローやセットをする時間が取れない方や、そもそもブローやセットをするのが苦手な方は『形状記憶毛&人毛ミックス』のタイプを選ばれた方が毎日の生活にストレスがありません。
実はこのちょっとしたストレスが積み重なってる場合もあります。
製作工程を紹介
『形状記憶毛&人毛ミックス』タイプウィッグ
製作期間1週間程度(通常オーダー)
①採寸
今回のお客様は55cmでした。
髪の毛がほぼない状態で55cmなので、今後髪の毛が復活してきたときのことを考えるとぴったりよりも少し大きいサイズのほうが後々良いと考えられます。
髪の毛がない状態のときは後ろのアジャスターでサイズを小さめに調整して使用します。
ちなみに、Sサイズ 54cm、Mサイズ 56cm、Lサイズ 58cmです。
ですので、大きめを選択して「Mサイズ」に決定です。
なお、XSサイズやLLサイズも可能です。ただし、納期が遅くなります。
②ヘアスタイルの決定
以前の髪型やカラーなどのお話を聞いたり、写真を見せて頂いたり、ヘアカタログや雑誌を見て決めます。
今回はお仕事的に黒髪でないといけない方でしたので、「ナチュラルブラック」です。
ちなみに通常カラーは3色あります。ナチュラルブラック、ブラウン、ライトブラウンです。
そのほか、特殊カラーや白髪ミックスも可能です。ただし納期が遅くなります。
髪型は以前から縮毛矯正をしていたり、長めのスタイルだったので、毛先に少しグラデーションが入っていて、顔周りが軽くなるヘアスタイルにしました。
また、結んだり、バレッタで留めたりアレンジができるようなヘアスタイルにしました。
もしこのヘアスタイルで人毛100%だと、シャンプーのたびにブロー&セットをしないといけないって考えると結構大変ですよね。その点、形状記憶毛ミックスなので自然乾燥で大丈夫です。
③カット
動きが出やすいよう、自然に見えるように丁寧にカットします。
実は実際の人のカットとウィッグのカットの仕方って違うんです。
同じようにカットしてしまうと、動きにくかったり、重いヘアスタイルになってしまうんです。
だから、自然なウィッグがいい方はウィッグのカットの知識がある方に切ってもらいましょう。
④産毛のカット
顔周り、耳回り、襟足回りは丁寧に「産毛」を作ります。
風が吹いたとき、掻き上げたときに見える一瞬のことですが、これがあるのとないのでは大違いです。産毛がない生え際はピシッとそろいすぎていて、不自然さがありすぎます。
また、「産毛」があることで、毛の立ち上がりができてふんわりします。
⑤ブロー&セット
ドライヤーとアイロンを使って形を固定させていきます。
ストレートヘアはストレートアイロン、カールヘアはカールアイロンで熱を加え、冷めたら形がキープされます。
そうすることで、シャンプーしても自然乾燥で元の形に戻ります。
もちろん、ご自身でセットし直しもできます。
「普段はストレートヘアだけど、お出かけの際は巻き髪にする」、ということもできます。
⑥出来上がり
最終的に実際にお客様にウィッグをつけて頂いた状態でさらにカットして微調整します。
特に前髪は人によっておでこの長さが違うので後から丁寧に長さを決定します。
⑦アレンジ集
緩めに結わいたり、バレッタでハーフアップにしたり、ヘアクリップで全部まとめたりもできます。
その際に、少し後れ毛を出すことでお洒落度アップ、自然感アップします!
まとめ
このウィッグの最大のメリットは『形状記憶』です。
毎日使用する方は1週間に1回はシャンプーしないと匂いや汚れが気になります。
週末の夜にシャンプーしてすぐにブロー&セットをする時間に余裕があればいいですが、皆さん結構忙しいんです。
体調がすぐれない時、仕事や家事が忙しい時、ウィッグのブロー&セットに時間をかけていられない方がほとんどです。
少しお値段はかかりますが、お手入れがラクというものは毎日の生活に余裕ができます。その余裕がストレスの軽減だったり自毛の再生を助けることもあります。
この『形状記憶毛&人毛ミックス』タイプは2カ月に1回くらいのペースでサロンでメンテナンスを行います。毛先が痛む前にケアをすることで長い期間使用することができます。
ご自宅でのお手入れ
毎日使う方は1週間に1回はシャンプーしてください。
シャンプー後は「洗い流さないトリートメント」をつけて、ウィッグスタンドに形を整えておいてください。
そして、そのまま自然乾燥で大丈夫です。
冬場や気温が低い日は、内側にひっくり返してネット部分、ネットのゴムの部分にドライヤーを当てて乾かしてから、再度ひっくり返してウィッグスタンドに置くと内側の乾きにくいところが乾きやすくなり安心です。
乾いたらにグロススプレー(艶出しスプレー、オイルスプレーなど)、オイルなどをしっかりと付けて「静電気」「摩擦」「紫外線」「乾燥」などから守ってください。
特に、襟足は「静電気」が起きやすく、からまったり、チリチリになる可能性が高いところです。その部分にはしっかり目にスプレーやオイルをつけてください。
『人毛100%』タイプウィッグ
製作期間1週間程度
①採寸
一部髪の毛がない状態の方です。
その状態で54.5cmでしたので、Mサイズにしました。
少し大きめでも後ろのアジャスターでサイズの調整ができます。
②ヘアスタイルの決定
「なるべく以前のヘアスタイルのまま」ということでしたので、ほぼ同じにしました。
細かく言うと、顔周りに短いレイヤーを入れたので、以前のヘアスタイルよりは前から見ると短めに見えます。後ろはほぼ一緒です。
③カットします
決定したヘアスタイルにカットしていきます。
④産毛を作ります
風が吹いたとき、髪を掻き上げたときに見える部分を丁寧に作ります。
また、一部の髪の毛を除き、髪の毛が通常通りある部分が多い方でしたので、自毛とのなじみを良くするために丁寧に作ります。
⑤カラーをします
もともと白髪染めをされていましたので、それに近いお色に仕上げました。
7レベルのブラウンになっています。
⑥部分的にパーマをかけます
少し動きがあった方が大人っぽく見えるので必要なところにだけパーマをかけます。
もし、全体的に長めでゆるくウェーブが欲しければそのようなパーマをかけます。
ただし、人間と一緒で日が経つにつれてパーマ感は緩くなっていきます。
「取れちゃったな」というタイミングでかけなおしたり、スタイルチェンジをした方がいいです。
いきなり強めにかけてしまうと、チリチリになったり、絡まったりしてしまうため、あくまでも「緩め」が基本です。
⑦ブロー&セットします
出来上がりです。
まとめ
人毛ですので、好きなデザインカラーが楽しめます。また、カラーチェンジも可能です。
緩めにパーマをかけたり、さまざまなアレンジが楽しめます。
ただし、日が経つにつれ髪色が褪せたり、パーマが取れたりします。
その際は、再度カラーをしたり、パーマをかけたり、またはスタイルチェンジをしましょう。
また、人毛ですのでトリートメントをすることも大事になります。
ご自宅で2週間に1回くらいトリートメントをしてあげることで、髪の毛のダメージが少なくなります。
特に、空気が乾燥する時期には静電気がかなり起こります。
その静電気がウィッグの髪の毛を痛める大きな原因になるので、こまめなお手入れがウィッグを長持ちさせるコツになります。
ご自宅でのお手入れ
毎日使う方は1週間に1回はシャンプーしてください。
シャンプー後は「洗い流さないトリートメント」をつけて、ブロー&セットをしてください。
そのまま自然乾燥ですと、ボサボサしたヘアスタイルになりますので注意してください。
最後にグロススプレー(艶出しスプレー、オイルスプレーなど)、オイルなどをしっかりと付けて「静電気」「摩擦」「紫外線」「乾燥」などから守ってください。
特に、襟足は「静電気」が起きやすく、からまったり、チリチリになる可能性が高いところです。その部分にはしっかり目にスプレーやオイルをつけてください。
『耐熱形状記憶毛&人毛ミックス』特殊サイズ&特殊カラーオーダー:白髪ミックスタイプ
製作期間1カ月半~
①採寸
男性用医療用ウィッグのため採寸するとLサイズ58cmをはるかに超えるサイズでしたので、特注サイズにしました。
本来なら男性の場合は型から作る「フルオーダー」の方がオススメです。しかし、今回は「フルオーダー」にした際に希望のお日にちまでに間に合わない、とのことで「特注サイズ」にしました。
②ヘアスタイルの決定
ご自身の以前のお写真を数枚お持ちいただきました。
男性の場合、刈り上げのスタイルや極端に短いスタイルも多いですが、実はウィッグではなかなか難しくなります。
特に、襟足やもみあげなどは短くすればするほど、「浮き」が出ます。
もちろん「なるべく浮かないように」は作りますが、どうしても物理的に長さがある程度あった方が「浮きにくく」なります。
この「浮き」にこだわる方は、日数はかかりますが「フルオーダーメイド」で細かく作った方が良いと思います。
今回の方はある程度、襟足ともみあげは説明させていただき少し長さがあるヘアスタイルでもいいと了承してくださいました。
③特殊カラーオーダー
もともと自毛は「白髪ミックス」なお色でした。
白髪ミックスは10%~90%まで、10%刻みで選ぶことができます。
チャートとご自身の写真を見比べながら「60%かなぁ」というように決めました。
ただし、全体的にその割合でミックスされます。
実際の髪の毛ですと「前側には白髪が多くて、後ろは少ない」とか、「もみあげは白いけど…」など、みなさん様々です。
そこまで細かくオーダーする場合は「フルオーダー」がおすすめです。
また、基本のカラーは3色(ナチュラルブラック、ブラウン、ライトブラウン)です。
それ以外に「赤っぽく」とか「ヘナで染めてる風に」などのオーダーも可能です。その際には今回の白髪ミックスウィッグと同様に製作までの日数が1か月半~になります。
④カット
ご希望のヘアスタイルにカットします。
男性のヘアスタイルなので、もみあげ、襟足はギリギリまで短くしますが、「浮き」が出ない長さにします。
⑤産毛のカット
顔周り、耳回り、襟足回りは丁寧に「産毛」を作ります。
風が吹いたとき、掻き上げたときに見える一瞬のことですが、これがあるのとないのでは大違いです。産毛がない生え際はピシッとそろいすぎていて、不自然さがありすぎます。特に男性の場合は顔周りは重要です。ちょっと産毛が多いくらいの方が自然感が出ます。
⑥ブロー&セット
ドライヤーとアイロンを使って形を固定させていきます。
ストレートヘアはストレートアイロン、カールヘアはカールアイロンで熱を加え、冷めたら形がキープされます。
そうすることで、シャンプーしても自然乾燥で元の形に戻ります。
もちろん、ご自身でセットし直しもできます。
⑦出来上がり
最終的に実際にお客様にウィッグをつけて頂いた状態でさらにカットして微調整します。
特に前髪は人によっておでこの長さが違うので後から丁寧に長さを決定します。また、男性の場合はもみあげ、襟足の長さを丁寧に整えます。
まとめ
このウィッグの最大のメリットは『形状記憶』です。
1週間に1回のシャンプー後は自然乾燥で大丈夫です。
少しお値段はかかりますが、お手入れがラクというものは毎日の生活に余裕ができます。その余裕がストレスの軽減だったり自毛の再生を助けることもあります。
この『形状記憶毛&人毛ミックス』タイプは2カ月に1回くらいのペースでサロンでメンテナンスを行います。毛先が痛む前にケアをすることで長い期間使用することができます。
ご自宅でのお手入れ
毎日使う方は1週間に1回はシャンプーしてください。
シャンプー後は「洗い流さないトリートメント」をつけて、ウィッグスタンドに形を整えておいてください。
そして、そのまま自然乾燥で大丈夫です。
冬場や気温が低い日は、内側にひっくり返してネット部分、ネットのゴムの部分にドライヤーを当てて乾かしてから、再度ひっくり返してウィッグスタンドに置くと内側の乾きにくいところが乾きやすくなり安心です。
乾いたらにグロススプレー(艶出しスプレー、オイルスプレーなど)、オイルなどをしっかりと付けて「静電気」「摩擦」「紫外線」「乾燥」などから守ってください。
特に、襟足は「静電気」が起きやすく、からまったり、チリチリになる可能性が高いところです。その部分にはしっかり目にスプレーやオイルをつけてください。
どのタイプのウィッグを選ぶべきか?
お手入れが楽な方がいい!
1週間に1回ですが必ずシャンプーをしないといけません。夏場ににおいや汚れが気になる方は2,3回シャンプーする方もいます。
体調不良の時やお仕事や家事でなかなか時間が取れない方は『耐熱形状記憶毛&人毛ミックス』のウィッグがおすすめです。
「洗って、形を整えてウィッグスタンドに置いて自然乾燥で元の形に戻る」、というのは本当にラクです。
「ラクするなんて、そんなに関係あるの?」って思うかもしれませんが、自分の髪の毛をドライヤーで乾かすのとはちょっと違うんですよね。ウィッグにはウィッグなりのブロー&セットのコツがあるので。
また、ブロー&セットに自信がない方もいらっしゃいます。そのような方は断然『形状記憶』を選ぶべきです。
自由にお洒落なカラーリングを楽しみたい!
ハイライトなどのデザインカラーを楽しみたい方は『人毛100%』のウィッグがおすすめです。
「ウィッグのべた~って感じが嫌なの」という方も結構います。
立体感を出すためには、ハイライトはかなり重要なテクニックです。
今流行のブリーチやバレイヤージュなどは絶対にウィッグではおすすめできませんが、自然な明るさのハイライトを入れることで、デザインが豊富になりますし、軽さや立体感が出るのでとても自然に見えます。
「8レベルのグレージュブラウンに11レベルのハイライト」や「ピンクブラウンにローライト」など、ウィッグであってもおしゃれなカラーリングが可能になります。
ただし、何度も言いますが「ブリーチ」はアウトです!絶対におすすめできません‼
ウィッグの寿命について
①人工毛(ナイロン毛など)ウィッグ
正直にいうと、寿命は短いです。本当に頑張って半年ぐらいです。
1年もしたらかなりのチリチリの状態になり、使い物にならなくなることが多いです。
考え方にもよりますが、「3カ月おきに新しいウィッグにする」という『使い捨て感覚』の方には良いかもしれません。
「3万円くらいのウィッグを1年で4個くらい買って、使い捨て」のサイクルがおすすめです。
②人毛100%ウィッグ
カラーリングやパーマの頻度にもよりますが、寿命は1年くらいです。
こまめなトリートメントをしたり、洗い流さないトリートメントやオイルの使用の仕方、ご自身の静電気対策によっては1年半くらいになることもあります。
少し金額は高くなりますが、サロンでのトリートメントを2カ月に1回するのも寿命を長くするポイントです。
何よりも、「丁寧に扱い、こまめなトリートメント」が重要です。
③耐熱形状記憶毛&人毛ミックスウィッグ
使用する方の扱い方に大きく左右されますが、寿命は2年くらい。
丁寧に使用して、メンテナンスを定期的に行えば数年は使えます。
- 最低2カ月に1回はサロンでメンテナンスをする
- 洗い流さないトリートメントやグロススプレーをしっかりつける
- ご自身の静電気対策をしっかりする
- 上から帽子をかぶらない
こういったことに注意していれば寿命は長くなります。
特に、サロンでのメンテナンスは重要になります。「毛先がチリつく前にメンテナンス」っていうことをきちっとすることで長く使用することができます。
また、ご自身の静電気対策が大事です。
空気が乾燥する時期、ニットやマフラーを使用する時期などご自身の静電気がウィッグの髪の毛にダメージを与えます。
ご自身の着るものに静電気防止スプレーをしたりすることも忘れないでください。
毛が抜ける、ネットが破ける、部品が壊れるなどのトラブル
長く使用していると、さまざまのトラブルが起きます。
そんな時はメンテナンスです。
クリップが壊れた!
「パッチン」って留めるクリップが壊れた場合は新しいものに付け替えます。
お裁縫ができる方でしたらご自身で付け替えることもできますので、「そろそろ壊れそうかな?」っていう時は新しいクリップを準備しておくのも良いと思います。
また、当サロンでも新しいクリップがあればご来店当日に付け替えることができます。
いっぱい毛が抜けた!ネットが破けた!
毛がいっぱい抜けてしまった場合、ネットが破けてしまった場合は、一度、メーカーに出す必要があります。
ちょっと穴が開いたくらいでしたらご自身で縫っていただいても大丈夫です。穴が大きくなる前に縫ってしまいましょう。
メーカーに出す場合は、早くても1週間程度はお預かりすることになります。
代わりのレンタルウィッグもありますが、全く一緒のヘアスタイル、一緒のカラーリングというウィッグをお貸しすることは難しいのが現状です。長期のお休みの時や、別のウィッグでも大丈夫なときにメンテナンスに出すことをおすすめします。
まとめ
どのようなウィッグを選ぶかは使用する方のライフスタイルに合ったものが良いと思います。
特に「医療用ウィッグ」は病気の治療中に使用する方が多いため、先ずは体調面を考慮していただき、どういったことを重点に置くかで選ぶウィッグのタイプが決まってきます。
お手入れが楽な方がいいのか?
お手入れに時間がかかってもデザインカラーを楽しみたいのか?
使用する期間が短いか?長いか?
例えば「乳がんの治療での脱毛」ですと看護師さんからは「1年くらいはウィッグが必要ですよ」なんて言われるのが普通です。
しかし、実際には1年でウィッグを卒業できる方って少ないんですよ。
皆さん、前髪やトップの髪の毛がなかなか生えそろわない、っていう方が多いです。
そうなってくると、フルウィッグを卒業して部分ウィッグに移行する方もいらっしゃいますが、そのままフルウィッグで過ごす方が多いです。
人によっては5年間ウィッグを卒業できないなんてこともよくあります。
そう考えると、医療用ウィッグは『長期戦』っていうことが言えると思います。
長い期間使用する物はご自身の身体の一部になりますので、慌てて購入したりせずに、しっかりと考え、吟味して、またプロの方のアドバイスを聞いてから選ばれることをおすすめします。
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